家の塗り替えのことで、兄と母親が大喧嘩。
母親、「嫌なら出て行きなさい」
玄関ドアがバタンと大きな音がしたため、外を見ると、大きなバックを担いだ兄が歩いていた。
このようなことは、父親が生きていた時にも度々あった。
夕飯の時間になったため居間に行ったのだが、ご飯は作ってなく、これも父親が生きていた時と同じ。
お腹が空くのはペットも同じ、父親が可愛がっていた犬にエサをあげていると、玄関ドアの鍵がガチャッ。
大きなバックを担いだ兄が帰って来た、兄の家出時間は6時間、父親が生きていた時より早い帰宅だった。
兄と母親が大喧嘩したのは、父親が残してくれた家を塗り替えるかどうかで。
母親は塗り替える、兄は塗り替えに反対、妹の私はどっちだって良い。
兄が塗り替えに反対なのは、父親の思い出がある家を変えたくないから。
妹としては、兄の気持ちは良く分かる、私達はパパっ子だったから。
母親が家を塗り替えるのは、子供たちが過去に縛られずに、前を見て生きて欲しいから。
母親の気持ちも分かる。
夏休みに入ると、家の駐車場にトラックが停まった。
そこは、父親が生きていた時に、花火や水遊びなどをした家族の思い出がある場所。
母親、「今日から家の塗り替えが始まるから」
私、「お兄ちゃんは知ってるの?」
母親、「言ってない」
兄は高校最後の試合に出掛けており、家にはいない。
家の周囲に足場が組まれると家の中が暗くなり、怖くなった私は父親の写真が飾ってある仏間へ行くと、母親が泣いていた。
その日の夜
兄、「ただいま」
私、「・・・(ただいま?兄は家の塗り替えに怒ってないの?)・・・」
母親は高校最後の試合に出た兄のために、好物を沢山作っており、兄はそれを泣きながら食べた。
兄は、自分が家にいない時に家の塗り替えを始めた母親の気遣いを分かっていたのだろう。
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