3年ぶりに実家に帰省した。 帰省した理由は、母親の元気が無いから。 母親にとって大好きだった父親がいなくなったことは辛いことだと思う、しかし、父親がいなくなって3年が経つのだから、いい加減、元気を取り戻して欲しい。 母親は終活の一環として部屋の片付けを始めたのだが、一向に終わらない。 片付けをするには、必要で残すモノと不要で捨てるモノとを別けるのだが、母親にとってみれば父親との思い出が詰まったモノはどれも大事なものばかりで不要なモノはない。 部屋の片付けが、ろくに出来ない母親が、自宅の塗り替えをすると言い出した。 自宅の塗り替えをすると言い出した時は、母親がオカシクなったのではと子供たちは心配した、なぜなら、自宅にも父親の思い出が沢山あるから。 自宅を塗り替えるということは、思い出を塗り替えるのと同じこと、そんなこと、ろくに片付けも出来ない母親が出来るだろうか? 翌日来たのは、自宅の塗り替えをする塗装業者さん、呼んだのは母親。 その塗装業者さんは、両親のことを知っており、「塗り替えをしても本当に宜しいですか?」。 子供たちは母親次第のため、母親がどう返事するか見守ることしか出来ない。 母親、「塗り替えをして下さい」 私、「お母さん、後悔しない?」 母親、「・・・、うん」 塗装業者さんが帰られてからの母親は、御近所さんに家の塗り替えの挨拶をしに回った。 家の塗り替えは1ヶ月後、それまでに母親の気持ちが変われば、キャンセル料を支払って塗り替えを辞めれば良い。 と思っていたのだが、母親に気持ちの変化は無く、計画通りに実家の塗り替えは行われた。 家の塗り替えが終わると、母親は御近所さんに家の塗り替えが終わったことの挨拶をしに回った。 父親があの世に行ってしまった時も、子供たちが御近所さんに迷惑を掛けた時も、母親は御近所さんに挨拶をしに回っていた。 母親は昔から何も変わらない、変わってしまったのは子供たちが心配性になったこと。 母親、「1年に1回は帰って来なさい」 私、「うん、そうする」 親子の会話は学生の時から変わらないが、昔に比べ母親は少しだけ小さくなった気がする、そんな気がするのは家を塗り替えたからか、そうであって欲しい。

宮崎の塗装屋さん